BIG WEDNISDAY ベトナム戦争をはさんだ病めるアメリカを舞台に、3人の若者の青春と友情をサーフィンをとおして描いたジョン・ミリアス監督の半自叙伝的作品。冒頭、ハウスパーティーで家中を水浸しにしたり、酒と喧嘩とサーフィンに明け暮れるバカ騒ぎの日々が実に楽しげでうらやましい。それだけに時代のうねりの中で成長していく若者たちの苦悩が痛烈に感じられる。
主演のジャン=マイケル・ビンセントはこの作品でスターの仲間入りをし、後にTVシリーズ「エアウルフ」などで人気を集めた。流れるような波の描写とサーフィンシーンの軽快さは『ダーティーハリー』などを手がけたブルース・サーティーズの撮影の妙だろう。思わず波に乗りたい衝動に駆られてしまう。心に迷いがあっては乗ることのできないビッグウェーブ、伝説の波「ビッグ・ウェンズデー」にいどむクライマックスは、去りゆく青春の日々への決別のようでもある。(井上新八
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